肝臓の病気

アルコールと肝臓―あなたの健康を守るためには飲酒量はほどほどに

「お酒」「アルコール」…健康との関係でいろいろなたとえがされる嗜好品です。例えば

「酒は百薬の長」…お酒を嗜むことでいろいろな病気を防ぐことができる、すなわち「アルコール善玉説」の代表格ですね。反対に「アルコール」と聞くと例えば「肝臓を傷める」など「健康によくない物」の代表格として忌み嫌われる場合もあったりします。「アルコール悪玉説」ですね。このように賛否両論あるのがアルコールではないでしょうか。

アルコールと健康障害の関係で有名なのはアルコール性肝障害です。アルコールは肝臓で処理されるというのは私が言うまでもなく皆さんよく御存知ではないかと思います。アルコールというのはもともと「炭水化物(糖質)」からできるものなので、飲み過ぎてしまうと余分な糖分となり、それが肝臓の中で「脂肪」に変換されてしまいます。いわゆる「アルコール性脂肪肝」ですね。これが長年続いてしまうと「アルコール性肝硬変」に進行してしまう訳です。

”γGTP”(ガンマジーティーピー)という検査データを訊いたことがあると思います。肝機能検査の一つでアルコール性肝障害だけで上がる訳ではないのですが、γGTPが上昇する病気としてアルコール性肝障害が有名です。私は例えば一つの目安として、このγGTPが上昇している場合は明らかにその方にとっては適正な飲酒ではないので、完全に止めるのではなくこの値が正常になるまで節酒(お酒を飲む量を減らす)ように指導しています。ただなかなかその目安でさえ達成するのが難しい、というのが現状ではありますが…。