生活習慣病

高血圧症-特に日本人は注意が必要です

もう一つのメタボリック症候群の要素、高血圧です。「血圧が高い」これも周囲でよく聞く言葉ではないかと思います。もちろん血圧が高いのはよくないことはわかってるんだけど…一体なぜ血圧は治療しなければいけないのか、あるいは血圧はどのくらいにコントロールするのが適切なのでしょうか?

高血圧の患者さんは日本では現在4,300万人ほど、おおよそ国民の3人に1人がかかっているとされる国民病の一つと言えます。その他の生活習慣病と同様、よほどのことがない限り自覚症状はなかったりしますので、なかなか病識(病気であるという認識)を持ちにくい病気でもあります。

血圧が高い状態が続くと血管壁にはストレスがかかり続けます。ということは全身の血管が傷みやすい状態になっていると考えられます。このことがもともと随伴していることが多い糖尿病や脂質異常症と重なることによって動脈硬化を形成する原因となります。この動脈硬化が心臓の血管におこると狭心症や心筋梗塞、また脳の血管におこると脳梗塞や脳出血などの原因になると考えられています。

では、血圧というのはどのくらいにコントロールすればいいものなのでしょうか?年齢によっても少し違いますが、75歳未満の方であれば「診察室血圧」で130/80未満、「家庭血圧」で125/75未満が合併症を起こしにくい良好なコントロール基準と考えられます。診察室血圧の上がり方は特に人によってだいぶ変わる所がありますので、比較的安定した値をとる「家庭血圧」が診察させていただく側からみても非常に参考になる値ですので血圧が高いと言われている方は是非測定をお勧めしておきます。