肝臓の病気

肝硬変―慢性肝臓病の行きつく先は…。

次は「肝硬変」についてです。「肝硬変」というと皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。「大酒飲みがかかる病気で、黄疸が出たり、お腹が水でパンパンになり、最後は血を吐いて死んでしまう恐ろしい病気」と言った所ではないかと思います。もちろんこのイメージ、決して全てが間違っている訳ではありません。肝硬変の病態の一部を端的に表していると思います。

肝硬変、文字通り「肝臓が硬く変わる」病気です。肝硬変を知るためには「硬く変わる」前の正常の肝臓の形を知らないといけません。鶏肉や牛肉の生レバーの状態を想像してみて下さい(もともと「レバー」という言葉自体がドイツ語の「肝臓」という意味になります)。とても弾力性のある臓器ですよね。人間の肝臓もこれらの「生レバー」と同じ質感で非常に弾力に富む臓器であると言えます。

肝硬変になってしまうことで、先ほどの「レバー」とは似ても似つかない、表面がデコボコして文字通り硬くまた小さくなることが多いです。皆さんももしかすると一度は肝硬変になった肝臓の写真を一度は見たことがあるかもしれませんね。このように肝臓の形に変化が起こることでいろいろな問題が起こってくることになります。

肝硬変に至るまでには必ず慢性の肝臓の炎症、すなわち「慢性肝炎」が存在します。肝硬変になってしまい、いろいろな症状が出る時期に治療しようとしても手遅れであることも多いです。肝硬変に至る前の「慢性肝炎」で症状のない時に治療を行うのがとても重要になります。