皆さんは「B型肝炎」、「C型肝炎」という病気の名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。今はTVコマーシャルなんかでも盛んに聞く病名ですよね。病名は知っているんだけど一体どんな病気かは御存知ない方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。ここからは少しウイルス性肝炎のお話をさせていただこうかと思います。
B型肝炎ウイルスはその名の通り、肝臓に感染して増殖するウイルスになります。感染経路としては感染患者の血液、体液からということになります。具体的には最初に挙げた輸血、避妊を行わない性交渉、歯ブラシ、かみそりなど血液付着が疑われるものの共用、あとは出産時B型肝炎の母親の産道を通過する際に大量の血液が曝露されることによる母子感染などが主なものとされています。
このように何らかの形で患者さんの血液、体液が体内に曝露されると、ウイルスが肝臓に移動、感染が成立します。B型肝炎に感染した場合、一過性にウイルス性肝炎が起こり治癒する「急性肝炎」になるものと、そのままウイルスがうまく排除できず、何十年単位で肝炎が持続してしまう「慢性肝炎」になる方がいます。
特に肝炎が「慢性化」すると生命にかかわる肝硬変、肝癌の原因となり得ます。また。最近では慢性肝炎の方だけでなく、急性肝炎から治った、と考えられる方の肝臓には実はウイルスがまだ残存し、肝臓以外のがんに対する抗癌剤治療や、リウマチなどの膠原病の治療で強い免疫抑制剤を使用すると、おとなしくしていたウイルスが暴れ出す「再活性化」という現象が起こることがわかってきています。結構やっかいなウイルスなんです。