主な肝臓病

「肝機能が悪い」とは?~肝臓の正常な働きと肝機能が悪化した時の症状~

肝臓の働き

肝臓は「肝心(腎とも言います)かなめ」という言葉がある通り、生命の活動に大変重要な臓器です。いずれにせよ「肝」という言葉が入っていることからいかに重要な臓器かわかりますよね。

肝臓には大きく分けて、生命活動に必要な物質であるタンパク質や脂質の合成、糖質の代謝といういわゆる「三大栄養素」の全てに関わってきます。また、生命活動を行う上で身体の中には様々な「毒素」となる物質が作られますが、それを「代謝」することで無毒化する、あるいはそのまま血中に放出する、などの「仕分け」をすることで体外へ排出する、という大変重要な役割をしている臓器です。

肝機能が悪化した時の症状

上記のような重要な働きをしている肝臓の機能が悪くなってしまうと全身に様々な症状が起きてしまいます。例えば、タンパク質の合成低下により浮腫(むくみ)や腹水、胸水、凝固因子(タンパク質の一種)の低下による出血傾向、また感染に対しての抵抗力の低下、また毒素排出の低下の症状としては黄疸(皮膚や眼球結膜(いわゆる白目の部分が黄色くなる症状)や肝性脳症といった症状が現れてきます。

肝臓はよく「沈黙の臓器」と言われます。実は「肝機能異常」と言われている方のほとんどは「無症状」なのです。これらの症状が出るまでは肝臓はギリギリまで頑張ってしまうため、これらの症状が出てしまった場合にはすでに「手遅れ」ということもよくあります。無症状だからと言って甘く見ることなく、健康診断などで「肝機能異常」と言われた方は是非病院、特に肝臓専門医のいる病院を受診することをお勧めします。