様々な原因で引き起こされる肝臓における肝臓の炎症を「肝炎」と呼びます。肝炎には数日から数週間の経過で比較的激しい炎症が引き起こされる「急性肝炎」と半年以上、多くは数十年単位で炎症が持続する「慢性肝炎」があります。
肝炎の原因としてはウイルス性(A~E型)、アルコール性、薬剤性、自己免疫性など様々なものが挙げられます。その原因によって急性肝炎を引き起こすもの(A型肝炎、B型肝炎、E型肝炎などのウイルス性肝炎、アルコール性、薬剤性、自己免疫性の一部)、慢性肝炎を引き起こすもの(B型肝炎、C型肝炎など、アルコール性、自己免疫性肝疾患(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎など)と原因によって病気の進行は様々です。
急性肝炎の場合は保存的治療のみで自然軽快することも多いです(ただし自己免疫性の場合は治療が必要)が、たまに急性肝不全という生命に関わる炎症を引き起こすこともあります。慢性肝炎の場合は放置すると肝硬変、肝がんの原因となります。特にウイルス性慢性肝炎は肝がん発生の高リスク群と言われています。肝硬変、肝がんへの進行を食い止めるためにも適切な治療が必要と考えます。